糖尿病の治療薬

糖尿病の治療薬は、様々な種類があります。食事療法と運動療法を続けながら、状態にあった薬を選択して、定期的に採血をしながら、治療を継続することが重要です。

なお、現在よく用いられている糖尿病の治療薬は大きく分けて6種類あります。状態にあわせて、組み合わせて使用します。

  • αグルコシダーゼ阻害薬(αGI薬)ベイスン・グルコバイ
  • ビグアナイド薬(BG薬)メルビン・ジベトス
  • インスリン感受性改善薬(TZ薬)
  • インスリン分泌刺激薬(SU剤)
  • 速効型インスリン分泌刺激薬(NAT薬)
  • インクレチン作用増強剤(DPP4阻害薬)

ページのトップに戻る

αグルコシダーゼ阻害剤(ベイスン・グルコバイ)

作用

食物中の糖質は小腸でブドウ糖に分解されてから体内(=血液中)に吸収されます。糖質をブドウ糖に分解する酵素の働きを抑え、腸内での消化吸収を遅らせ、食後の高血糖を改善する薬です。糖の吸収を阻害するわけではなく、吸収のスピードを遅くするだけです。おなかがはったり、おならが出たりすることがあります。ビオフェルミンなどの整腸剤を一緒に飲むとおなかのはりやおならは改善します。飲み続けることにより自然におなかのはりがなくなることもあります。

一般名

ボグリボース、アカルボース
腸管におけるデンプン、蔗糖などの多糖類から単糖類へと分解をするグルコシダーゼという酵素の働きを抑制することにより糖の吸収を遅延させる薬です。

商品名

グルコバイ、ベイスン

服用の方法

毎食事の直前に服用します。食後しばらくして服用してもあまり効果はありません。

ページのトップに戻る

ビグアナイド薬(メルビン・ジベトス)

作用

肝臓は血液中を運ばれてきたブドウ糖を肝臓内に蓄えたり、血液中に放出したりして血糖値を調節します。肝臓が血液中にブドウ糖を放出するのを抑えます。この作用は言い換えると肝臓、筋肉でのインスリンの効きを良くする薬です。肥満している糖尿病患者さんに向いている薬です。アルコール中毒、肝硬変、肺機能低下している方では、まれに乳酸アシドーシスを起こすことがありますので注意が必要です。

  • 腸管からの糖の吸収を抑制
  • 肝・筋肉での糖の分解を促進
  • 肝での糖の新生を抑える
  • 食欲を抑える


商品名

メルビン、ジベトス、グリコラン

服用の方法

食後に服用します。単独では空腹時に服用しても問題ありません。

ページのトップに戻る

インスリン抵抗性改善剤(アクトス)

作用

ブドウ糖は血流にのり全身に送られ筋肉などに取り込まれエネルギーとして利用されます。筋肉細胞などでインスリンの効果を高め、効率良くブドウ糖が細胞内に取り込まれるようにします。また脂肪細胞に働きインスリン抵抗性を改善するアデポネクチンを増やします。いままでになかったタイプの薬でインスリン作用を高めます。

  • インスリンレセプターの感受性を増強
  • 筋肉細胞での糖利用促進
  • 肝臓での糖新生の抑制
  • 中性脂肪の低下作用
  • 抗酸化作用

アクトスはインスリン抵抗性がない人には効果がありませんインスリン抵抗性の有無を調べる手軽な方法としては、空腹時インスリン値があります。空腹時で10U/ml以上であればインスリン抵抗性がある可能性が高いと思われます。
また、肥満している人(BMI>24)は総じてインスリン抵抗性であることが多いのでBMIが一つの指標になります。
SU剤との併用は可能です。もちろんこの薬でも食事療法、運動療法ほ必要性は変わりません。



一般名

ピオグリタゾン
末梢組織、特に筋肉のインスリンの効きを良くします。

商品名

アクトス

服用の方法

食後に服用します。単独では空腹時に服用しても問題ありません。

ページのトップに戻る

SU剤(アマリール、オイグルコン、ダオニール、グリミクロン)

作用

すい臓から血糖値に従いインスリンが分泌され、ブドウ糖が体内(筋肉など)でエネルギーとして利用されるのを助けます。すい臓からのインスリン分泌を刺激します。
主に膵臓のインスリン分泌細胞に働きインスリン分泌を刺激する薬です。
以前は糖尿病の薬といえばこれでした。
現在、よく使われているのは商品名でオイグルコン、ダオニール、グリミクロン、古いところでラスチノン、ジメリンなどがあります。

副作用は少ないですが、医師からの処方量をこえて服用したり、薬をのんだものの食事をとらなかったり、またいつもより食事量がすくなかったり、運動量が多かった場合は、血糖値が下がりすぎ、いわゆる低血糖症状が出現することがありますので、注意が必要です。

新しいSU剤

グリメピリド(アマリール)
血糖降下作用はグリベンクラミドと同等以上に強力ですが、インスリン分泌刺激作用はさほど強くなく、膵B細胞以外への作用、筋肉などの末梢組織での糖の取り込みも促進することなどが考えられます。すなわち、インスリン分泌を刺激するとともに末梢におけるインスリン感受性を高めるという薬です。

服用の方法

基本的には食前30分前に服用します。1日1回または2回です。

ページのトップに戻る

速効型インスリン分泌促進剤(ファスティック、 スターシス、グルファスト)

作用

SU剤と同様ですが、素早く効果が発揮され、速やかに消失しますので、食後の高血糖を改善できます。D―フェニルアラニンというアミノ酸の誘導体の一種で、従来のインスリン分泌刺激剤(SU剤)に比べ作用時間が極めて短く、食事直前に服用し、食後血糖を抑えることができます。血糖降下作用はそんなに強力ではありませんが、いままでのSU剤にくらべ低血糖が起こりにくい特徴があります。

一般名

ナテグリニド

商品名

スターシス、ファスティック

服用の方法

各食事の直前に服用します。食後しばらくして服用してもあまり効果はありません。

ページのトップに戻る

DPP4阻害薬(ジャヌビア、グラクティブ)

作用

食べ物が小腸内に入ってくると小腸からインクレチンというホルモン(GLP−1やGIP)が分泌され膵臓のインスリン分泌を増強させます。
これらのインクレチンはDPP4という酵素によりすぐに壊されてしまいます。インクレチンの分解を抑えインスリン分泌を増強します。

ページのトップに戻る