性感染症(STD)

性感染症の昔

性感染症は近年に始まったものではありません。日本はもちろんのことヨーロッパでも最初は性感染症ではなく性器の病気と判断され、原因もわからない治療法もないという状況で蔓延するのを抑えることはできませんでした。

ヨーロッパでは性感染症を「ヴィーナスの病気」と呼んでいたこともあり日本でも「花柳病」と呼ばれていました。新宿にも遊郭の歴史を残す場所がありますが、そういった場所においての性行為で広がる病気という認識は後になってのもので、江戸時代には泌尿器科などはありませんので病気は拡大するか重篤化するかのみでした。

花柳病は遊女や娼婦のイメージがあるため後には「性病」となり、現在では「性感染症」という呼称に改正され20種類を超える病気が含まれています。

梅毒の歴史

梅毒の始まりは1495年以降となります。発祥の原因はコロンブスの隊員がアメリカの女性と性行為し持ち帰ったということが一説、アントニオ・デ・トレスがアメリカの女性をスペインに持ち帰ったためなどの説があります。

日本では医師として有名な杉田玄白が記録に残したものから、江戸時代の患者1000人あたりに対して700~800人が梅毒の症状を持っていたとされています。治療法が見つからず「五宝丹」を血液をきれいにする目的で飲用されていましたが、効果がないので塩化第2水銀を塗りこんでいたとされます。しかし水銀中毒で死亡する人が増えたり苦しむ人が多かった時代で、戦後になってペニシリンの導入でやっと梅毒が鎮圧されることになります。

「梅毒」の名前の由来は、症状として出る発疹が楊梅(ようばい)またはヤマモモと呼ばれる植物に似ていたため、当時は楊梅瘡(ようばいそう)と呼ばれていました。それが変化して梅毒となり、今に引き継がれています。

淋病の歴史

世界で初めて性病として定められたのは梅毒ですが、実は色々な著書の中には淋病が古くから発祥していたことがうかがえます。古代エジプトや、旧約聖書、そして医学の神様ヒポクラテスの記録からも淋病の症状らしきものが記載されています。記録は紀元前のものであって梅毒は1400年代となるので淋病の病原菌がいかに古代から生き延びてきているかがわかります。

「淋病」という病名から名前の由来について考えるとすれば「淋しい病気」、淋病にかかると人生の伴侶を見つけられずに淋しい人生を送るという意味合いがあるかもしれないと、解釈してしまいそうになりますが、全く違った意味があります。

ヨーロッパでは淋病をGonorrhoeaといいます。 「Gono=精液」、「”rhein=流れる」という意味です。つまり感染して尿道から流れ出る膿を精液と判断して名付けられたことになります。またこれを日本語の「淋病」に置き換えると、「淋=しずくがぽたぽた落ちる様」から淋病となります。

1873年が日本での発症になりますが、ペニシリンの開発によって抗生物質が蔓延を阻止できましたが、近年になってその抗生物質でも効かないというスーパー淋病と呼ばれる病原菌も発見されています。
淋病の治療薬は開発されている近年では病気の治癒は可能となっても感染者は増える一方であり、そして今度はまたパワーアップした状態で治療法のない病気となってしまっているのです。

新宿には人口も多い分病気も多くなります。性病は話すのも見せるのも恥ずかしいと、つい見てみぬふりをすることで悪化し治癒しづらくなります。おかしいなと思ったらすぐに泌尿器科を受診するようにしましょう。

カンジダ症の歴史

カンジダが古代にも発症していただろうとされる内容はヒポクラテスの時代にさかのぼります。当時は口角炎とされていたようで口腔のカンジダが主流だったのかもしれません。カンジダの研究は1849年をかわきりに多くの研究者の手によって確定されていきます。最終的な「カンジダ症」の呼称に至っては、「トーガカンジダ」(トーガ=擦り切れた白いローブ)というラテン語から由来され、日本ではカンジダ症となっています。

性感染症には欠かせないペニシリン

世界でも戦争は盛んにおこなわれていた時代に、兵士たちの傷が化膿してしまったときにも特効薬がありませんでした。ある時イギリスのアレクサンダー・フレミングという医師がこういった細菌感染の治療薬を研究していました。

ブドウ球菌を増殖させる実験を行っていましたが、たくさんの培養皿のうち一つだけを整理し忘れて、あたたかい窓のところに放置してしまいます。当然青カビが生えてしまうのですが、この時に青カビのある部分にはブドウ球菌が死滅していた状態に気が付きます。こうして細菌を死滅させるのは青カビから生まれる成分であるということに発展となります。
世界に広がるにはそこからも時間はかかりましたが、1928年にこの成分を正式にペニシリウム(青カビの属名)を引用してペニシリンとなりました。

ペニシリンが普及され性病をはじめ多くの炎症疾患が治癒され、ペニシリンが発展しさまざまな抗生物質が開発されていますが、もしも偶然の発見がなければ現在の性病は不治の病のままだったということになります。

ページのトップに戻る