トリコモナス

原因

トリコモナスという原虫が、尿道や膣の粘膜に感染することにより引き起こされます。

トリコモナスは肉眼では見えないほどの小さく、菌でもウイルスでもなく原虫に分類されます。
トリコモナスが体内に侵入して寄生すれば、繁殖してしまいます。
男性の場合は前立腺や精嚢(せいのう)に寄生し、女性の場合は尿道や子宮、膣、膀胱などに寄生します。

感染経路

尿道からの膿や分泌物との接触、タオルや下着などの接触などが感染経路になります。

トリコモナスの場合、他の性感染症とは異なり感染経路が幅広いことが特徴です。
主な感染源は性行為であることが多いですが、タオルや下着、便器や浴槽など性器に触れる可能性のあるものが感染経路になることもあります。

そのため、性行為の経験がない人や、幼児なども家庭内で感染するケースもあるのです。

ただし、これは不衛生にしていることが原因なので、清潔なタオルや下着などを使用していれば感染は起こりにくいとされています。

潜伏期間

不定

症状

男性

排尿時の違和感や痛みなどの症状があります。尿道炎に近い症状になります。

トリコモナスは尿道や前立腺に寄生することも多いため、これによって尿道炎や前立腺炎を引き起こすことがあります。

尿道に感染しているだけであれば、排尿によって流されるような場合もあります。

症状が全くないこともあります。

尿道炎のページはこちら

女性

おりものの増加、外陰部のかゆみ、違和感などの症状があります。膣炎の状態の場合、膣トリコモナス、トリコモナス膣炎とも呼ばれます。
必ずしも症状があるわけではなく、ないこともあります。

臭いのきついおりものが増えたり、外陰部や膣の痛みやかゆみがあります。

検査

男性

尿を採取して検査します。感染していたとしても、検出されないこともあります。

女性

分泌物もしくは尿を採取して検査します。検査方法は医療機関ごとに異なります。

当院では、検査結果はネットで確認できるため、検査結果のため、再度来院する必要がありません。

検査結果の確認はこちらから

保険診療での検査料金

保険適応であれば、自己負担は3割になるため、2500円前後になります。

自由診療での検査料金

5000円(税込)になります。

治療

メトロニダゾールという抗生物質を10日間内服します。
女性の場合、膣錠を外用することもあります。妊娠中に発見された場合には、膣錠を選択します。

保険診療での治療料金

保険適応であれば、自己負担は3割になるため、薬代は調剤薬局にて1000円前後になります。

自由診療での治療料金

抗生物質の内服は、10日分で9000円（税込）になります。

パートナーがトリコモナス

産婦人科などで検査した女性のパートナーから｢トリコモナス陽性だった｣と連絡があり、念のためご自身も感染していないか心配になり、クリニックへ来院されるケースもあります。

トリコモナスはパートナー間で感染を繰りかえしてしまうようなケースも多いので、パートナーと同時に治療を行うことが大切です。
どちらか片方だけが完治しても、感染したまま性行為を行えば再び感染する、ピンポン感可能性があります。
また、性行為以外にタオルを共有することやお風呂に一緒に入ることで感染する場合もあるので注意が必要です。

パートナーの陽性が出た場合、すぐに検査を行うことをおすすめします。

予防方法

トリコモナスを予防するには、性行為の際にはコンドームを正しく着用することです。

無症状のまま感染が広がることも多いので、不特定多数の人と性行為を行うことは避けるべきでしょう。

また、下着やバスタオルは清潔なものを使用するようにします。

まとめ

トリコモナスを疑わせる症状があれば、男性であれば、泌尿器科や性感染症内科を、女性であれば、婦人科や性感染症内科をご受診ください。
当院では、男性のトリコモナスの検査や治療を保険診療もしくは自由診療しています。

女性のトリコモナスの検査はおこなっておりません。婦人科におかかりください。